Hirameki
Finnish design looks eastward
22.10.2009 15:00
HIRAMEKI Design × Finland が2010年秋の東京デザインウィーク期間中に開催されます。フィンランドのデザイン・ライフスタイルを紹介するプロジェクトです。対象を日本に絞り、フィンランドの才能あるデザイナーやデザインに力を入れる企業のこと、また今のフィンランドの暮らしぶりをお伝えします。
これがフィンランドの輸出につながる足がかりなるよう、多くの要素を含んでいます。リビングデザインセンターOZONEで行われるHiramekiのメイン展示のキュレーションは、すでに日本のデザイン市場でも認知されているフィンランド人デザイナー、ハッリ・コスキネンとイルッカ・スッパネンの2人が担当します。日本のAXIS誌にフェンニア賞2009(フィンランドのデザイン賞)の業績を評価する記事が掲載されるなど、彼らへの称賛は国内にとどまりません。フィンランドデザイン界のアバンギャルドと称される2人。両者ともマリメッコのテキスタイルで華々しい創造力を発揮したかと思えば、国内外のデザインブランド各社の照明器具や家具デザインを手がけたりの活躍をみせています。ハッリ・コスキネンはインダストリアルデザイナーとして世界最高峰ともいわれるデザイン賞、トルステン&ワーニャ・ソーダーベリ賞を2009年11月に受賞します。
日常づかいのフィンランドデザイン
フィンランド人にとってデザインはどこか身近なもの。たとえば家で毎日使うのは、定番のアラビアやイッタラの食器です。アールトのサヴォイベースがちょっと特別な日のテーブルに彩を添えてくれます。普段着としてマリメッコで寛ぎ、アウトドアウェアならルッカがあります。インテリアにはマリメッコのテキスタイルや、フィンランドの木や新素材で作られた家具を。若い世代ではグローブホープのリサイクル精神が支持されていますし、イヴァナ・ヘルシンキやティーア・ヴァンハタピオをはじめとする新しい感覚のファッションなども人気です。デザインが日常の中にいつだってある、それがフィンランドなのです。
フィンランドデザインの歴史は長く、デザインは昔から尊重されてきました。アルヴァル・アールト、タピオ・ヴィルッカラ、ティモ・サルパネヴァ、カイ・フランクなど数多くのデザイナーが世界を舞台に活躍してきました。またフィンランド応用美術協会が運営するデザインフォーラム・フィンランドはフィンランドデザインのプロモーションで130年以上の実績があります。こうした伝統がヘルシンキで人気の博物館に挙げられるデザインミュージアムや、ヘルシンキ芸術デザイン大学へと受け継がれています。後者は国際的な評価も高く、およそ23%が海外からの学生で占められており、現在はアールト大学(の一部)として機能しています。またフィンランドはデザイン力にすぐれた企業ブランドが多く、アルテック、フィスカルス、イッタラ、コネ、マリメッコ、ノキア、ロクラ、スント、ヴァイサラなどがあります。日常にデザインがある、その伝統がうまく生かされているのです。
フィンランドデザインのひらめき
フィンランドの斬新なデザインの未来を紹介するときも、多くのベテランデザイナーたちの姿があります。豊富な経験を生かし、倫理観やリサイクルなどに配慮し素材の使い方や消費者にやさしい工夫をほどこし、精力的に新しいデザインをつくりだしています。著名なデザイン賞をいくつも受賞してきたインダストリアルデザイナー、ハンヌ・カホネンは、今の状況をこんな適切なコメントで語ってくれています。「デザインはもう新製品の開発から来るものではありません。むしろデザインが競争の重要ファクターになってきたのです。昔のコンセプトを参考に意義ある新しいものが見出せるかというと、これは現在にあっては難しい。今日のデザイン世界では、エコや環境問題といったことを必ず考慮しなくてはならないのです。古びないデザインでありながら変わり続ける人々のニーズに応え、なおかつ高齢化する社会にに対応しているものであること。そのためにどうすればいいか、例えば多種多様なデザインサービスのコンセプトから考えてみるなど、私たちは今までとは違ったところを出発点としなくてはならないのです。」
フィンランドの製品や企業が国際市場で注目されるために、デザインはフィンランドの競争力を強める上で重要視されてきています。また将来的にはデザインが自国のアイデンティティーイメージを伝える高度な文化的役割も担うことになるでしょう。「ピュアなフィンランドの素材と製品。これがフィンランドに対するイメージ。国際的にこういう立場にあるのはフィンランドデザインや産業、これから出てくるかもしれない新業種の将来的な展望を考えるにあたっても、自分たちが非常にいいスタート地点に立っていられてるんだ、ということです。」ハンヌ・カホネンはそう続けてくれました。
フィンランドと日本の架け橋としてのデザイン
Hiramekiのねらいはフィンランドデザインとそのマーケティングの国際的な認知度を上げるということもさることながら、新しいビジネス機会やネットワークを展開していくことでもあります。フィンランドデザインというと、今でも50年代60年代のイメージがあったりします。でも実際には新しく画期的なフィンランドデザインが加速しながらどんどん生まれてきているのです。この数年、フィンランドデザインは東京デザイナーズウィークやAxisなどのデザイン関連スペースで紹介されてきました。フィンランドを訪れる日本の旅行者もメディアも、フィンランドデザインに着目してくれています。フィンランドのイメージは、あの永遠の人気者ムーミンだけではなくなりました。東京にあるデザインショップ「キコ」でフィンランドデザインを紹介してきた小杉正佳など、デザインに親しい人たちがフィンランドデザインを日本へ持ち込んでくれ、フィンランドと日本の重要な仲介をしてくれています。またフィンランドのブランドの中にはイッタラやマリメッコなど、すでに日本の市場でも頭角を顕してきているところもあります。2009年秋の東京デザイナーズウィークでは、イッタラがインダストリアルデザイナーのハッリ・コスキネンをフィーチャリングするほか、インテリアデザイナーのサムリ・ナーマンカが家具メーカーのピーロイネンから登場、クリエイティブエージェンシーのココロ&モイも参加します。そのほかフィンランドを拠点に活躍するグラスデザイナー中田一志の展示がリビングセンターOZONEで行われます。
優れた伝統が、新たな挑戦のインスピレーションに
それでは何が「いま」のフィンランドデザインなのでしょうか。フィンランドの人はちょっと内向的で無口で、自然とサウナに癒される、そんな風に描写されることがしばしばあります。沈黙を埋めるため何か話さなければとか、お世辞で繕わなくてはと気にすることもありません。また人々はナチュラルでエコな素材とシンプルで機能的なフォームを良しとします。最高のフィンランドデザインというのは明らかにここに起因していますし、それを誠実に洗練させ、質的にも申し分のないものにしたものです。フィンランドデザインの注目度は世界でまた確実に上がっています。Hiramekiキュレーターの一人、インダストリアルデザイナーのハッリ・コスキネンは次のように話してくれました。 「Hiramekiでは今日のフィンランドデザインが迎えている今とその豊かさのに触れていただきます。『明日への道しるべ』となるよう、今の傾向やデザイン状況を把握し最新のものを伝えたいと思っています。」
アイラ・コレフマイネン